「読響」第503回定演へ |
2011年4月18日(月)午後7時開演
於:サントリーホール
プロコフィエフ バレエ音楽「ロミオとジュリエット」Op.64から抜粋
ラヴェル ピアノ協奏曲 ト長調
ラヴェル 左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
ラヴェル ボレロ
指 揮:シルヴァン・カンブルラン
ピアノ:ロジェ・ムラロ
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久々に現代音楽を聴くチャンスに恵まれた。
ピアニスト、ロジェ・ムラロがラヴェルのコンチェルトを弾くということで相棒を引っ張った。ラヴェルのピアノコンチェルトは大好きなのだが、なかなか生で聴く機会がなかった。
今回初めて読響の定演を聴くことになった。プログラムの通り、非常に力の入ったコンサート。演奏も(失礼ながら)予想よりかなり良くて驚いた。
プロコフィエフ以外は生で聴くのは初めて。(笑)楽しみで仕方なかった演奏会なのだ。
演奏会をはじめる前に、このたびの震災で被災された方、お亡くなりになられた方への哀悼の意を表すということで、指揮者カルブルラン氏はメシアンの「管弦楽のための交響的瞑想〜忘れられた捧げもの」の「聖体」(1930)を選曲された。
挨拶も拍手も排除して厳かに弦楽で演奏。初めて聴いたが心に響くものがあった。
さて、いよいよプロコフィエフ。
お馴染みバレエ音楽「ロミジュリ」の抜粋版。
オケピットではなく舞台に乗ったフルオーケストラの演奏を堪能。
脳裏にはバレエの場面や踊りが浮かんでくる。何とも不思議な音楽だが、魅力的。1936年初演。
◆Pianist: Roger Murarro
お待ちかねラヴェルのピアノ協奏曲。
ムラロ氏はかなりの長身で舞台に登場したのを見て驚いた。190cmは越えているだろう。ピアノの前に座わると脚が邪魔する。(笑)
初演は1932年。ハープと多様な打楽器群が入り、ジャズの影響を感じさせる独特の世界を作っている。ちょっとガーシュインの音楽も想起させるか?(ラプソディ・イン・ブルーが1924年初演)
ムラロ氏は予想に大いに反して非常に繊細かつ柔らかな音を出すので驚いた。男性的な力強い音かと想像していたものだから。長身の上、手も大きく指がとても長く、動きが柔軟。
オケも十分に頑張って演奏しているし、管楽器群も予想以上に素晴らしい出来だと思った。敢えて言うなら、ピアノとオケとの融合という部分で残念な感じが残った。
というか、きっとこの曲自体がそもそも難しいのだ。楽譜を弾けること以上の感覚が必要だと思われる。古典中心のオケにはその意味でちょっとハードルが高いのかもしれない。全体としてはほぼ満足に近かった。聴衆も非常に楽しんだ様子。ムラロ人気はかなりのものだ。
何といってもこのラヴェルのコンチェルトと言えば、マルタ・アルゲリッチの演奏が先ず頭に浮かぶ。メシアンの演奏で評価の高いムラロ氏のラヴェル演奏に非常に期待して会場に足を運んだ。フランス人の弾くラヴェルってどんなものなのか、興味津々だったのだが...。
満足はしたのだが、、、。やはり彼はメシアンの方がずっといい!(苦笑)
休憩を挟んで、同じく「左手のためのピアノ協奏曲」(1931年初演)
生で聴くことが出来て非常に満足。片手だけでも十分、音楽を作ることが可能なことが分かる。
音楽的にも非常に面白い。ラヴェルの初ピアノ協奏曲。
ムラロ氏は拍手に求められてメシアンのプレリュードをアンコールで演奏された。
最後はご存知「ボレロ」。これもベジャールのバレエで有名になったが、同じ旋律が何度も繰り返され、様々な管楽器が登場し、どんどん規模が大きくなり、そして最後は大音響とともに興奮の中終わる。
プログラムの最後に持ってこいの選曲だと思った。
今回の読響の定期演奏会はなかなか面白かった。思った以上に素晴らしく満足した。
また機会があれば是非伺いたい。
ラヴェルのピアノ協奏曲をようやく聴くことができ満足の一夜であった。
今宵の一曲は、、、やはりこれ。(^^
この曲でアルゲリッチを越えるピアニストやいづこ?
◆Ravel Piano Concerto 3 mov.
The Stockholm Philharmonic Orchestra/Yuri Termirkanov, conductor
Martha Argerich, piano