待ちに待ったハンブルク・バレエ団のジャパンツアー三日目。
昨日、大仕事を終えてホッとした気持ちで観にいく事が出来た。
2008(2009)年にバレエにはまって以来、数々のクラシックバレエ、モダンバレエの公演を観てきたが、我々(私と相棒)にとってこのバレエ団のこの演目を観るのは「今」だったのだと思った。
バレエを鑑賞するにあたって、観る側のレベルもそれなりにアップしていない限り内容を楽しめないのは必至な作品だろう。バレエのテクニカルな部分だけでなく、音楽も舞台も衣装も、もちろん振付も、全て理解は出来なくてもそれなりに楽しめるまで自分が高まっていなければ「猫に小判」。そしてそして、作り手のこの演目で伝えたいテーマ(根幹の部分とでも言えばいいのだろうか)をどう感じ取れるか、が一番大切なのだから、、、やはり、我々には5、6年の歳月は必要だったのだと思った。
それにしても何とも切なく胸キュンの数時間だった。
かなり難解なバレエとは思うけれど、「愛とは何か」感じさせる演目だったと思う。
踊り手たちの舞踏と音楽と舞台と衣装と、そしてノイマイヤーの振付から胸いっぱいに「愛」を感じ取る事ができて本当に幸せな時間だった。幕が下りる時には涙なみだ。これほど涙が溢れるとは予想外だった。
ジュリー役はゲストのアリーナ・コジョカルのはまり役だと思った。
心の様を踊りで表現しなければならない重要な役を見事にこなされたと思う。
(実は以前、ガラでパドゥドゥを観た事があったのだが、鑑賞力の問題もあるだろうが、あれでは何も伝わらなかった。やはり、最初から最後まで観てはじめて心に響くものがある演目だったのだと痛感。)
音楽はミシェル・ルグラン。ジャズの生演奏と録音での構成だが、とても個性的で面白く、素晴らしかった。メインテーマは今なお耳の奥で響いている。リリオムとジュリーの踊りとともに。
公演の前にプレトークでノイマイヤー氏のインタビューを拝見した。
学校の先生みたいな英語を話すので分かり易かったけれど相棒と苦笑い。
(その映像は下記に貼付けています。)
なかなか面白い話が聞けて、ガラ公演、「真夏の夜の夢」の公演を観るのが楽しみになった。
「リリオム─回転木馬」プロローグ付全7場(休憩1回)
2016年3月6日(日)14時開演〜東京文化会館
原作:フェレンツ・モルナール
音楽:ミシェル・ルグラン
振付・衣裳・照明:ジョン・ノイマイヤー
装置:フェルディナンド・ヴェゲルバウアー
「リリオム―回転木馬」
─ プロローグ付き全7場のジョン・ノイマイヤーによるバレエ伝説 ─
◆主な配役◆
リリオム:カーステン・ユング
ジュリー:アリーナ・コジョカル(ゲスト・ダンサー)
ルイス:アレッシュ・マルティネス
風船を持った男:サシャ・リーヴァ
マダム・ムシュカート:アンナ・ラウデール
マリー:レスリー・ヘイルマン
ウルフ:コンスタンティン・ツェリコフ
フィスカー:ダリオ・フランコーニ
水兵:キーラン・ウェスト
天国の門番:エドウィン・レヴァツォフ
内気な青年:アリオシャ・レンツ
悲しいピエロ:ロイド・リギンズ
エルマー:エマニュエル・アムシャステギ
幼少時のルイス:ヨゼフ・マルキーニ
指揮:ジュール・バックリー
演奏:北ドイツ放送協会ビッグバンド、および録音音源
第1幕 14:00~15:25
【休憩 25分】
第2幕 15:50~16:45
ジョン・ノイマイヤー氏のプレトーク。ご興味があればどうぞ。
それにしてもノイマイヤーの若々しいこと。^^