若い才能のゆくえ... |
◆A Church near Ponte dell'Accademia @Venezia Aug '10(再掲)
今宵の一曲は、折に触れて聴きたくなるバッハのカンタータの一アリア。
◆J. S. Bach - BWV 82 - 1 - Arie "Ich habe genug, ich habe den Heiland"
Gli Angeli Geneve / bass : Stephan MacLeod
J.S.Bach Cantata "Ich habe genug"(BWV82)
1.Arie
Ich habe genug,
Ich habe den Heiland, das Hoffen der Frommen,
Auf meine begierigen Arme genommen;
Ich habe genug!
Ich hab ihn erblickt,
Mein Glaube hat Jesum ans Herze gedruckt;
Nun wünsch ich noch heute mit Freuden
Von hinnen zu scheiden.
私は満ち足りています、
私は救い主を、敬虔な者たちの希望を、
待ち望むこの腕に抱きしめたのです。
私は満ち足りています。
私はあのお方を見たのです、
私の信仰はイエスをこの胸に抱きしめたのです。
今や私の望みは、今日にでも
喜びのうちにこの世を去ることです。
さて、
先週8日(木)、第14回チャイコフスキー国際コンクール優勝者ガラなるコンサートに行った。初めてこの類いの演奏会に出かけたのだが、初々しい中に煌めく才能の垣間見える若者の演奏にしばし聴き入って楽しんだ。
伴奏の東京交響楽団の演奏も(失礼ながら)予想をはるかにしのぎ素晴らしく、指揮の高関健氏の才能にも脱帽だった。特にグランプリを取ったピアノのダニール・トリフォノフのチャイコのピアノコンチェルトには楽しませてもらった。才能が煌めき若きピアニストの門出を祝いたくなった。
翌9日(金)は何と急遽決まったトリフォノフのリサイタルにまで出かけた。
彼は連日の疲れも見せず、ショパンから弾き始めた。
スタートは素晴らしかった。
様々なコンクールで上位入賞を果たし、技術的なことを言えばプロ以上の力を持っているかもしれないと思わせる凄さ。ダイナミックで非常に力強さを持ちながらもセンスある繊細な音を出すことも知っている。どうすれば聴衆に喜ばれるか分かって弾いている感じ。
ところが、ところがだ。
二曲目のエチュードを弾き始めた頃には何も心に響かなくなった。
目の前では一心不乱にピアノに向き合う若者トリフォノフの姿。彼はFAZIOLIのピアノ舞台に据えてピアニストに相応しい長い長い指で思う通りに次々と難曲を弾きこなしていく。
プログラムが進み、後半のリストになっても響かない心はそのまま。
時折見せる煌めきにはハッとさせられるし、凄い才能の持ち主であることはよく分かる。けれどいったい音楽とは何なのだろうかと改めて考えさせられた。
そう思うと目の前で弾く彼のことが何だか可哀相になってしまった。
そのピアノにのめり込み、嬉々として早いパッセージを難なく弾きこなし、、、。
これから先も研鑽を積むだろうし、より素晴らしいピアニストになってほしい。そして出来得るなら素晴らしい音楽家にもなってほしい。
そのためには何が必要なのだろう?
いつも思うことなのだが、彼の周りにしっかりとした先生や大人がいてくれることを願う。音楽を創造するとはどういうことか、迷いながらもずっと追求し続けていくような演奏家になってほしいと願いたい。
予想通り演奏が終われば割れんばかりの拍手。スタンディングオベーションも多々。
一列目にはファンの女性達が陣取り花束のプレゼント。コンクール優勝者の若きイケメンピアニストだものね...。(^^;
そうそうたる審査員と聴衆によって選ばれし若きピアニスト。
彼の今後の真の活躍を祈り願いたいと思う。
ずいぶん秋らしくなったとはいえ、
残暑厳しい日が続いています。
早くも、トミーさんは、芸術の秋満開。
良い時間を過ごされて何よりです。
私など、仕事に追われ、これでは..と思う毎日です。
(今日は久々、ぐったりの日(^.^))
若き才能のあるピアニスト、さまざまな経験を積んで、
これからがスタートなのでしょうね。
心に響く、胸を打つということはどいうことか。
本当に難しいことです。
文章からその場にいたトミーさんの気持ちが、
すごく伝わってきました。
またこういう聴衆に支えられて、大きく成長していくのでしょうね。
これからも大いに秋を満喫してくださいませ。
遅まきながらブログ6周年、おめでとうございました。
これからも楽しみに!
おはようございます。
今日も快晴、蒸し暑さももう少しだと、、、いいのですが。(苦笑)
いつも暖かいコメントを有難うございます。<(_ _)>
久しぶりの故郷の旅も充実していたご様子で何よりでした。
年々体の回復が遅くなっているようで辛いですが、しっかり食べて、しっかり睡眠取って元気出していきたいものですね。頑張りましょう。
芸術の秋到来ですが、スケジュール調整が大変でして、、、好きだからこそ何とかつじつまを合わせている感じでしょうか。(^^ゞ
色々感じながら味わっていこうと思っております。
お忙しいでしょうが、何とか時間を見つけて楽しまれますように。
お陰さまで何とか続けております。これも芙蓉さんをはじめ皆さんのお陰です。どうぞ今後とも細く長く?よろしくお願い致します。
いつもいつも有難うございます。