コンスタンチン・リフシッツ ピアノリサイタルへ |
<<ベートーヴェン後期3大ソナタ>>
2013年02月06日(水) 19時開演 紀尾井ホール
ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 作品109
ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 作品110
ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 作品111
ピアニスト、リフシッツは、樫本大進とのデュオで聴いていたのだが、ソロの演奏は今回が初めて。予想どおり凄いピアニストだった。ベートーヴェンのピアノソナタ、それも最後の三つはソナタの中でも最頂点にある作品。作曲家の全てが凝縮されていると言ってもいい。それに立ち向かうのは、たとえ経験豊かな演奏家であろうとかなり大変なはず。リフシッツは凄まじい集中力と彼らしい個性を活かした演奏をした。その個性を好きか嫌いかはあるだろうが、彼自身の音楽になっていたのは間違いない。希望を言うとするなら、最後の32番まで三曲を休憩なしで通した方がより良かった気がする。弛緩したわけではないが三曲を一括りとして考えると、緊張感が最後の最後まで続いた方がよかったように思った次第。
リフシッツは今年37歳。これからどう音楽をより高め深めていくか楽しみなピアニストになった。同時に、ベートーヴェンの凄さを改めて思い知らされた演奏会だった。
コンスタンチン・リフシッツ